とう     じ    あん

湯治庵
テリーとその仲間たちの交流記
2007-12-10  
ガンダーラの便り -1

「テリー様お変わりありませんか、湯治場からご報告いたします。
人里をなれ、小鳥のさえずりと小川のせせらぎの音に囲まれた湯治場に先ほど着いたところです。
湯治に最適な環境のようです。
ありがたいことにインターネット回線(ADSL)も引かれており助かります。

さて、私が時折話題にするガンジーナ(ガンを同時に発症した雌犬)を途中見舞って参りました。

驚いたことに彼女は姿も魂も激変し、
人間に当てはめてみると体重50`人が6ヶ月で70`になったことを想像してみてください。
お腹はバンバンに張って、軽々と駆け上がっていた車の座席にさえ自力で上がれなくなっていました。
可愛いげな誰からも愛されたナヨナヨした風情は遠い昔の話。

彼女の関心の全ては「どんな餌でもあるだけ喰う・・・」畜生に生まれ変わったのでした。
私は今日から「デブジー」と呼ぶことにいたしました。

2007-12−9 
五右衛門風呂ー3

ゆっくりと血液が体の隅々へ回り始めた・・・・
「ガンダーラさまがここに逗留し、
この五右衛門風呂に入っていたのだろうな。
テリー様は”ガンダーラさま”をガンがダラダラ発症するので
「ガンダーラ」と名のったのだと笑いながら言っておられたが・・・」


紀元前にアショーカ王がインド大陸をほぼ統一し多くの仏塔が建設された。
三蔵法師が仏典を求め、最近ではタリバンが破壊したバーミヤン遺跡も
ガンダーラにあった。

ガンジーは昔流行した詩をゆっくりと口ずさんだ。

「愛の国ガンダーラ・・・
そこに行けば どんな夢も叶(カナ)うと言うよ 誰も皆行きたがるが 
はるかな世界 その国の名はガンダーラ
どこかにあるユートピア どうしたら行けるのだろう 教えて欲しい
生きることの 苦しみさえ 消えると言うよ 
旅立った 人はいるが あまりにも遠い
自由なそのガンダーラ 素晴らしいユートピア 
心の中に生きる 幻(マボロシ)なのか
愛の国ガンダーラ・・・」
http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/gandhara.htm

2007−12−7
五右衛門風呂−2

鉄の釜に水を入れ新聞紙と薪で火を熾し、30分もすると湯が沸いた。
洗い場にはすのこ板と下駄が用意されている。
「下駄で入ろう・・・」


ガンジーは子供の頃漫画のなかで、五右衛門が釜の中で踊っているのを思い出した。
「鉄底の熱に直に触れたた五右衛門も踊りたくなるだろう、ヒドイ話だ・・・」
5分もするとポカポカしてきた。
「体の芯から温まる。見た目よりもなかなかものだ」

五右衛門風呂−1

食事の後お茶が飯の茶碗に注がれた。米粒一粒も残してはならない。
少し早めに感じる入浴時間が告げられた。

湯治庵というくらいだからそれなりの浴槽を備えた設備があるものとガンジーは想像していた。
母屋から離れた粗末な小屋に案内されガンジーは不安を覚えた。
引き戸を開けると中央に見たことも無いたきぐち付きの浴槽らしきものがどっかと座っていた・・・

「こ、これは・・・」


「五右衛門風呂じゃ。夕食が済んだら薪を炊き、風呂の用意をする。
昼間の作務に撒き割りも日課として組みいられているのじゃ」

「トホホ・・・想像以上にえらいところに来てしまったようだ」

ガンジーは体の芯まで冷えが入り込むのを感じるのだった。

食堂ー7

さて、食堂入り口通過断食表がこれじゃ。それから、断食道場にはTVは無いが
インターネット回線が引いてある自由に使ってよろしい」
表には5日間の断食と前後5日間の計10日間の時間割がびっしりと書かれていた
「ノートPCは持ってきたが、ネットサーフインなどこれでは無理だな・・・」

1日目はあっという間に終わった。
案内された薄暗い飾り気の無い12丈ほどの板の間の道場には、
寝具とちゃぶ台ひとつあった。
板壁に額には・・・

白露の おのが姿は
そのままに
紅葉におけば
紅の玉


午後6時、娑婆とお別れになるだろう夕食がナタリーナによって用意されてあった。

食堂ー6

「テリー様!これはわたくしめの理解の外にある現象のようでして、言葉もありません・・・」
「ま、ここで生活するうちに慣れてくる。最初はガンダーラも同じように驚いておった」

「あ、あのガンダーラさま・・ここに居られたのですか!

「お前と入れ違いに2,3週間の予定で旅に出かけたところだよ」

”注”
ガンダーラとは、テリーの幼馴染で、病のたびに湯治庵に逗留していた。
現在5回目の湯治中であった


食堂ー5

「明日から湯治庵での生活が始まるがその前に、
わしが今どんな存在なのかをお前は知っとく必要がある・・・」

テリーは立ち上がり作務衣をとると、ズボンと下着を下ろした。

「テ、テリー様・・・  」

考える時間も無いあっという間に展開された光景に絶句するガンジー。
テリーの下半身は半透明で、床の間の般若心経の掛け軸が透けて見えていた。

「わしの心身はこのようにかなりの割合でデジタル化が進行しておるのじゃ。」

「デジタル化?」

「ガンジーお前は100%アナログの存在じゃ。
同じように鳥や獣、木や草花など目に見えるものは全てがアナログとして存在しておるのじゃ」

「”ショウガ茶”をお持ちいたしました」
ナタリーナなが入ってきた。
「あなた、又そんなことを・・・」
ナタリーナは顔をそむけその眼元がシワで埋まった。



切り文字の般若心経
食堂ー4

「お前の筋肉質の体格からして断食なら5日コース。
断食前後の6日間を加えると、 食事の回数は1回.0.5回  1.2.3.4.5日間無食、
0.5回.0.5回.1回.の10日間で終了じゃ。

1日一膳コースなら21日間で6キロ減量が可能じゃ。
どちらのコースを選んでも湯治庵食堂の狭い入り口をぎりぎりで通過できるはずじゃ」

「・・・では断食のほうでお願い申し上げます」
ガンジーは即断した。
「ナタリー、ナタリーナ!お茶はまだか?」

2007−12−1

食堂ー3

「ショウガ茶を食堂に用意いたしました・・」
とナタリーナ

「そちらへ入れないのじゃよ。すまんが、ここへ運んでくれ」
テリーの家の習慣では飲食は食堂で行なうことになっていた。

「・・・」
ガンジーはやり取りを聞きながら方を丸めて小さくなっていた

「さて、湯治庵では通常1日の食事は2回じゃ。
食堂に入れない今のお前の体格では断食を取るか、1日1膳をとるかじゃ」

「テリー様、断食なら何日で食堂に入れるでしょうか?また1日1膳なら何日かかるでしょうか・・」

2007−11−30

食堂ー2

ナターシャ・・・?」
ガンジーは記憶をたどったが思い出せない。

ナターシャは先ほど帰りました。何か御用ですか?」
インターホーンから抑揚を抑えた声が響いた。

「ガンジーよこの
湯治庵玄関で ””おば様ご無沙汰いたしております””
と挨拶したろう・・・」

「そのようにお呼びいたしましたが、なにか不都合でも・・・」

「これからは””ナタリー さま””と呼べ」

「ハッ 今後そのようにいたします」

2007−11−29
食堂ー1   (アルコバッサ修道院)

「ところでガンジーお前のその立派な体のサイズは?」
「ハッ、身長172センチ、体重76`で胸囲100aでございます」


「う〜ん立派じゃのう、しかしそれではアルコバサ修道院の食堂の扉どころか、
ワシの家のリビングの出入り口も無理のようじゃな・・・」

「・・・エ−ッ、父からそのようなことは聞いておりませんが!」

「兄はまだらボケがはじまったのかもしれん、それとも愛の鞭?」

「ナターシャ、ナターシャ!」
テリーはインターホンに向かって叫んだ。

テリーはガンジーを呼んだ。
頭の先から足の先まで一瞥すると言った。

「ガンジー、この世界遺産アルコバッサ修道院では、
大食堂に入るのにはきわめて狭い扉をくぐらないと入れないような構造になっている。
この清貧の教会の修道僧は最盛期1000人。
>>デブは万病の元<<と言われている。3日も絶食すれば入れるのだろう・・・」
テリー様・・・もっと体型を絞れとおっしゃるのですか?」


アルコバッサ修道院
2007−11−24

ガンジーが出現した日

2007年春うららかなある日のことだった。

「おじ様!テリー様!!」

玄関の方からけたたましい大声が聞こえた。

「誰か来た様だ・・・」

「は〜い」
テリーの妻が坂になっている廊下を小走りに駆けていった。
ガンジーは予告もなく訪れ、この日からテリーの家に居候することになった・・・。
何故なのか、どういう関係なのか?は追々明らかにしてゆく。


ところで最近めっきり寒くなり外へ出るのを控えていたら、
あのガンジーナ(雌犬)の便りが飼い主から届いた絵を見てくださいこの姿。
原油高のこのご時世に・・・

ネコではなく本物の犬なのです


ネコも驚くこの姿!